甘えがあると行動力は低下します。
「約束の期日まで2週間あるから大丈夫。今度やろう」
「親の仕送りがあるから今月のお金は大丈夫。バイトは今度探そう」
「貯金があるから大丈夫。仕事は来月になったら探そう」
このように時間的な余裕や、家族などへ依存していると行動が先送りになることがあります。
合理的に考えれば納期まで2週間あっても今日やったほうが良いに決まってます。親だって突然倒れる可能性もゼロではないのでさっさと職を探した方が良いのです。
甘えがなくなった実体験
僕が甘えを捨てて覚悟を決めたのは、祖母が体調を崩し入院したときです。
それまで元気だった家族が突然病気になり、年齢もいっているのでどうなるかはわからない。
今まで当たり前だったものが当たり前でなくなった時、いかに自分が家族に甘えていたかが分かりました。
「これまでのようには行かない。ずっと同じはありえない」
考えてみれば当然です。しかし僕は祖母が入院するまで気付けませんでした。先の展開を想像する能力に欠けていたと言わざるを得ません。
「もう甘えない。依存はしない。しっかりと自立する。」
そう思えた時、人生で初めて一皮剥けた実感がありました。それ以来、「明日やろう」は無くなり、先延ばしすることなく直ぐに仕事に取り掛かれるようになりました。
甘えて行きていけるのが問題
今の日本は貧富の差が広がっているとはいえ、他と比べて明らかに住みやすい国です。
特に両親が揃って健在であれば、医療も発達したうえ定年も引き上げられたのでいつまでも働き続けます。突然の不幸でも無い限り、甘えて生きようと思えば生きられるのが今の日本です。
とはいえ、なにか達成したい目標があるのにそれに甘んじて先送りにし続ければ、ろくなことになりません。精神的自立をせず目標を達成するのは難しいです。
甘えることが出来てしまう人が幸福な人間なのは間違いありません。しかし、幸福がゆえに自力で甘えを捨てるのは大変です。すでに子供の頃から当たり前に得られている恩恵を自分の意志で放棄するわけです。かなりの意志力を要します。
甘えを捨てて生きるには信念を書き換える
先程、僕は祖母が倒れて甘えを捨てることが出来たと書きましたが、それでもちょっと気を抜くと甘えが出てしまいます。一体どれだけ甘えん坊なんでしょう。僕はそんな時、次のことを意識します。
「今日を最高にすること。今から最高になれば、未来は最高になる」
この言葉を何度も唱えて冷めた心にもう一度火を入れるわけです。他にもっと好きな言葉があればそれでも構いません。
「それが難しいから問題なんだ!」
と思うかもしれませんが、これは何度も自分に言い聞かせながら少しずつ変えてくしかありません。人の思考はそれまで受け取った言葉で作られます。心を変えるのに言葉を使うのはうってつけなんです。
「私はベストを尽くす。眼の前にあることに今から真剣に向きあう」
「いつまでも親は健康じゃない。今できることから始める」
これらの言葉を常に意識します。初めはストレスが掛かるでしょうが2、3日で慣れます。
繰り返すうちに信念が書き換わってくるのが分かります。例えば、やんちゃな友達と付き合うとやんちゃな考えや行動に抵抗を感じなくなりますよね。だんだんと変わって行くんです。
それと同じで「新しい考え」は最初はストレスを感じるでしょうが、繰り返し自分に言い聞かせることで確実に取り入れることが出来ます。信念の書き換えは可能です。
少しだけ自分に厳しくする
信念を書き換えたら、次は行動です。
甘えを捨てて行動するときは「少しだけ自分に厳しくする」のがコツです。あまりにも厳しくしすぎると精神的に辛くなってしまうので、少しで大丈夫です。
これまで中々取りかかれなかった作業があるとします。今までは「無理だ。やりたくなったらやろう」とか「瞑想してまずは気分を良くしよう」と思って先送りしてきたとします。これを止めるんです。
少しだけ自分に厳しくするときは、目を瞑って、深呼吸して、大きく息を吐きながら、やりたくないという気持ちやストレスを感じながら、「今を最高にすれば、未来は最高になる。やるぞ!」と頭の中で唱えて未来への希望と挑戦の意欲を感じながら、他のことは考えず行動をスタートします。
僕は気が乗らない作業はこの方法でスタートしていますし、実際に出来ています。また自分に厳しくするという前提で動こうとするとかなり動けることが分かりました。
体感にも意識を向ける
甘えを捨てて行しているときの体感は決してワクワクはしないものです。
ワクワクして居ても立ってもいられなくなり行動するのは、期待ホルモンのドーパミンによるものです。
一方、甘えを捨てて行動するのはヒリつくような感覚がします。これはこれで居ても立ってもいられなくなるのですが、ドーパミンではなくアドレナリンがベースです。アドレナリンはストレスを感じると出てきます。
アドレナリンは「闘争・逃走反応」という人間が大昔に狩猟をしていた頃に発達した脳の機能を活性化させます。
例えば目の前にライオンが突然現れたら、戦うか逃げるかの2択です。仲良くなって一緒に暮らすという選択肢はありません。生存率を1%でも高めるために、戦うか逃げるかを脳の中で理屈を通すことなく一瞬で判断されます。このとき大量のアドレナリンが分泌されます。
甘えを捨てて「やるぞ!」となっているとき、まさに闘争の反応(ヒリつくような感覚)が体に現れます。この体感も繰り返すごとに慣れて楽になっていきます。
体感があまりに苦しいときは休みながら繰り返してください。その際、行動できなくても自分を責めないことが大切です。
全く運動をしていない人がマラソンを始めても最初は数百メートルでバテます。何度も繰り返すことで走れる距離が長くなるのと同じで、ヒリつく感覚への慣れも繰り返しが必要です。ヒリつく感覚に慣れると行動までスムーズに持っていくことが出来るようになります。
ワクワクしながら甘えを捨てるには
甘えを捨てるとヒリつく感覚になりワクワクしなくなると書きましたが、実はワクワクする方法もあります。
それにはイメージトレーニング(ビジュアライゼーション)を行うのが一番です。
理想的な目標達成のシーンを夜寝る前にイメージしましょう。良い気分(感情)を味わうことがポイントです。感情を味わう時、ワクワク(快)が強く脳に記憶されます。
イメージトレーニングを基本とし、その上で甘えを捨て「今を最高にすれば、未来も最高になる」と思いながら行動する。
非常に複雑なことをやっているように感じますが、何回か繰り返していると少しずつ慣れてきます。
これが身につくと、行動を始めるときはアドレナリンでヒリつくような感覚をじっくりと味わいながら開始して、作業中はワクワクしながら集中できるようになります。
無理は禁物!頑張ったあとはたっぷり甘える
とはいえどんなに甘えを捨てて体感に慣れても、一日中頑張ればさすがに疲れます。なんでもそうですが頑張ったら疲れるのは当たり前です。マラソン選手だってフルで走ったら疲れます。
僕は疲れたらたっぷり自分を甘やかすことを心掛けています。ずっと気を張っていてはおかしくなってしまいます。
・夜6時以降は自由に遊ぶ
・パートナーと楽しいひと時を過ごす
・見たかった映画を思う存分楽しむ
・友人と居酒屋で羽目を外す
仕事が終わったらではなく、飽くまで「疲れたら」です。会社の仕事ではそうは行かないでしょうが、勉強や副業なら大丈夫です。
6時間頑張るといった感じで時間を決めて、疲れても決めた時間分作業を続けると後々大変なことになります。「作業=大変=嫌なこと」という記憶(というより感情、感情記憶)が脳に定着してしまいます。
そうではなく、疲労したら甘える。すると「今日も頑張ったなあ。さあ思う存分自由に過ごそう」といった満足感が得られます。これは脳に「作業=満足感=良いこと」という記憶を定着させます。だから無理はしない。
バリバリ仕事をする人ほど、遊ぶときにはちゃんと遊びます。というよりちゃんと遊ばないと、甘えずに自分に厳しく仕事をするのが難しいです。
僕自身、甘えなくなって初めてそれがわかりました。甘えないことと甘えることはセットです。
まとめ
甘えを捨てて生きるということを実際にやっている僕なりの考えをまとめてみました。
実際に甘えを捨てて生きる中で感じたことなので、個人差はあるでしょうが甘えを捨てて生きたいという人は参考にしてみてください。
最初はヒリつくような体感に慣れるまで苦労しましたが、慣れてしまえばそうしないと違和感を感じるほどです。のんびり生きていた頃より、明らかに結果が出るようになりました。
でも甘えてのんびり生きるのは楽しいです。ずっとそう生きていけるならそれが一番な気もします。でも結果を出したいと心から願うなら甘えを捨ててみるのもアリですよ。